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小嶋 拓治
放射線と産業, (95), p.64 - 68, 2002/09
原研では、平成12年11月から平成14年2月まで、高崎市ほか4町村衛生施設組合の高浜クリーンセンターにおいて、200の実排煙を対象に、電子ビームによる排煙中ダイオキシンの分解技術の開発を行った。この結果、以下が得られた。(1)ダイオキシンの分解率(照射前に対する照射後のダイオキシン濃度の比)として、線量3kGyで約50%,10kGyで約80%、及び14kGy以上では所期の目標である90%上が得られた。(2)今回の試験規模を約6倍することにより4,000m/hの実規模へのスケールアップが可能とみなされ、実用化に向けた有意な基礎データが得られた。(3)電子ビーム照射前後における排煙について、環境ホルモン様の毒性をELISA法により調べた結果、毒性を50%以上低減できた。(4)ジフェニルエーテル(DPE)や塩化DPEなど、ベンゼン環やエーテル結合を持つ模擬有機物質を用いた、200における反応生成物の解析により、反応機構として、ダイオキシンの分解初期では、構造を維持したままの塩素の解離よりもエーテル結合の切断やベンゼン環の開環が主として起こっていることが推定された。
橋本 昭司; 新井 英彦
電気学会技術報告, (810), p.46 - 50, 2000/10
本報告書は、電子ビーム照射による(1)燃焼排煙中のSO及びNO除去、(2)都市ごみ燃焼排煙の処理及び(3)揮発性有機物を含む排ガス処理技術の研究開発の現状及び今後の展望についてまとめた。即ち、(1)に関しては、現在中国で実用試験が進められており、また中部電力において本技術を採用したプラントが建設中である。(2)に関しては、松戸市焼却施設で実用試験が実施された。(3)に関しては、トリクロロエチレンなどを除去する研究が原研及び世界各地で進められている。今後、本技術はダイオキシンをはじめとする環境ホルモンの分解処理への発展が期待される。
新井 英彦
放射線利用における最近の進歩, p.183 - 192, 2000/06
近年、各種の有害物質や環境ホルモンによる上水・排水の汚染が世界的に大きな問題となっている。これらの物質による汚染濃度はppt~ppbレベルのものもあり、従来の水処理技術だけでは十分な対応が困難となっている。放射線照射による上水・排水処理技術は、これらの問題を解決する一つの方法と考えられ、世界の各地で研究が進められている。原研においても、これまで染色排水、汚泥脱離液の処理や下水放流水の殺菌処理技術の開発を進めてきた。本報告は、これらの状況を踏まえ、放射線照射による上水・排水処理技術について、その原理と特長について述べるとともに、各処理技術の概要についてまとめたものである。
新井 英彦
放射線と産業, (82), p.22 - 25, 1999/06
近年、有害物質や環境ホルモンによる水環境汚染が大きな問題となっている。これらの物質の汚染濃度はppbレベルのものもあり、従来の水処理技術では十分な対応が困難となっている。放射線による水処理技術は、この問題を解決する一つの方法と考えられ、最近、上水原水の浄化、重金属の除去、環境ホルモンの除去などについて、世界の各地で精力的な研究が進められている。本報告は、これらの研究の概要をまとめたものである。